体外衝撃波治療

体外衝撃波治療とは

体外衝撃波治療とは、低出力の衝撃波を皮膚の上から照射することで、痛みのある箇所の神経を変性させたり、血管の再生を促すことで痛みを和らげたり、痛みを取り除く治療です。元々は腎臓結石や尿路結石のような体内にできた結石を破砕する治療法として用いられてきましたが、近年は整形外科領域にも応用されるようになり、海外では足底腱膜炎やテニス肘、ゴルフ肘などの様々な疾患の治療に用いられています。
体外衝撃波疼痛治療装置には発生原理や波形によって、集束型と拡散型の2種類があります。集束型の治療装置は、集束した範囲にエネルギーを与えるので、局所的な治療が可能です。患部のみに高いエネルギーを与えることができるため、腱付着部炎、偽関節、疲労骨折、離断性骨軟骨炎、石灰沈着性腱板炎のほか患部が体内の深くにある疾患などにも有効です。
当院では厚生労働省より事業承認を受けている、BTL社の「集束型衝撃波BTL-6000 フォーカス®」という装置を導入して治療を行っています。

BTL-6000フォーカス®の特徴

  • 最新の発振方式である電気音響技術を採用
  • 医療機器として国内最大出力の0.27mJ/mm²
  • 幅広い焦点範囲(0-65mm)に対応し、表層から深部までの組織が治療可能

※参照:BTL Japan株式会社 

体外衝撃波治療の効果

体外衝撃波治療の痛みを取り除く効果には、短期的な効果と長期的な効果があります。

短期的な効果

  • 自由神経終末(痛みを受け取る受容器)を減少させることで、痛みを和らげる効果があります。
  • 痛みにかかわる神経伝達物質を減少させることで、神経中枢への痛みの伝導を抑える効果があります。

長期的な効果 (組織修復作用)

  • 新しい血管を作ったり、コラーゲンを生み出すことを促す効果によって、腱が骨に付着している部分の血管の新生と組織の修復を誘導する効果があります。
  • 痛みを伝達する物質を減少させる効果があります。
  • 炎症の原因となるMMPやILなどのサイトカインという物質を抑制する効果があります。

※2~3回の体外衝撃波治療を繰り返すことで上記の効果が確認されています。
※体外衝撃波治療では完全に痛みを取り除くことは保証しておりません。治療効果や治療期間は患者様により異なりますが、半数以上の方に効果があるとされています。

体外衝撃波治療が有効な疾患

体外衝撃波治療が有効である疾患や機能障害は以下の通りです。

慢性的な腱障害(腱付着部炎・腱炎)

骨修復機能異常(骨折・軟骨損傷)

  • 疲労骨折
  • 骨折の遷延治癒 (骨折後治療を行っているが、一定期間が経過しても治らない状態)
  • 早期の離断性骨軟骨炎
  • 偽関節
  • 早期の骨壊死

そのほかとして、ばね指、腱鞘炎、有痛性外脛骨、二分膝蓋骨、シンスプリントにも有効です。
なお、日本国内で体外衝撃波治療が保険適応治療として認可されている疾患は難治性足底腱膜炎のみとなります。

体外衝撃波治療の副作用やリスク

基本的に副作用はありませんが、稀に以下の症状が起こる可能性があります。

基本的にはどれも数時間から数日で治まりますが、気になるようでしたらご相談ください。

集束型体外衝撃波治療の流れ

Step1 超音波を照射して、患部の痛点を特定します。

 

Step2 目標組織の深さに応じて、適切なカップリングパッドを選びます。

Step3 ジェルを塗って、アプリケーターを開始します。

体外衝撃波治療の費用

保険診療(難治性足底腱膜炎のみ)の費用

  1割負担 3割負担
難治性足底腱膜炎のみ 5,000円 15,000円

保険外診療(自由診療)の費用

  費用(税込)
初回 13,200円
2回目以降(同一部位) 6,600円
3回セット 22,000円

※診察料・検査料等は別途かかります。
※体外衝撃波治療は予約制となります。
※3回の照射で1クールを基本としておりますが、十分な治療効果が得られれば2回以下の照射で終了することも可能です。

よくある質問

治療に痛みは伴いますか?

治療中に痛みはありますが、患者様が我慢できる範囲内の出力にて治療を行います。低出力の照射でも痛みを強く感じられる場合は、途中で治療を断念する場合があります。

治療回数は何回ですか?

個人差もありますが、一般的には3~5回の治療を1クールとして、数クール繰り返し治療を行うことで効果が確認されています。

治療効果はどのくらいですか?

治療効果は患者様により異なります。また完全に痛みを取り除くことを保証する治療ではありません。予めご了承ください

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